まこぱるぴ

幼児との生活あれこれ https://twitter.com/mktysd192

絵本「100年たったら」が感動的で思わず買ってしまった話

お題「これ買いました」

書店で閲覧用のものってありますよね

場所によっては読む用のスペースまであって、ドケチな私はそこで子供に絵本を読んだりもするんですが、先日手に取った絵本(閲覧用)の内容があまりに感動的で、思わず1冊買ってしまいました

図書館を含めれば累計何十どころか何百という絵本を子供に読んできた私

その中でも「これは!」という内容で、間違いなく100万回生きたねこに匹敵する不朽の名作だと思います

初版発行は2018年で2022年8月時点で既に第10刷

話の内容をザックリ説明すると、はるか昔の草原に1頭のライオンがいて、でもライオン以外には動物は誰もいない状況(食べ物も無ければ家族も友人も恋人もいない)

「われわれは百獣の王、誇り高きライオンなんだ」と自慢話をしていたかつての父を思い出しながら『だから何…』と独り草原で不貞腐れるライオン

(親が何をどう誇ろうと子供にとっては本質的には無価値という悲しき現実…)

草を食べても虫を食べても満たされないライオンは、かつて動物を追いかけていた若かりし頃を思い出しながら、木の下で寝転がり日々を無為に過ごします

そんなある日、羽がボロボロで飛べなくなってしまった旅鳥のヨナキウグイスが草原に降り立ちライオンと出会うのですが…

ライオンと鳥をモチーフにしながら、人と人との出会い、日々のささやかな幸せ、愛別離苦、輪廻転生、人生の意味という深い命題を見事に描いた名作

子供にとってこの絵本が本当の意味で役立つのは精力旺盛な青春時代というよりも、むしろ晩年かも分からない…

そんなことを思わせる作品です

ライオンの内心的孤独を本当の意味で理解できるのは、長く人生を歩んできた者にしか分からないものがあるのではないでしょうか

子供向けの絵本でありながら、それだけこの作品には深みがあり、普遍性があり、読む人それぞれに考えさせる余地があります

単純にただ楽しい絵本というのも好きですが、こうした哲学的な絵本に出会えると嬉しくなりますね

2022年も残り僅かですがこの絵本「100年たったら」は今年一番の収穫だったと思います

是非皆さんもお近くの書店でこの絵本を手に取り、もし心に響くものがあれば読書用・保管用・布教用と3冊買って知り合いや友人に紹介してみてください