まこぱるぴ

幼児との生活あれこれ https://twitter.com/mktysd192

闇が深すぎる漫画おやすみプンプン

若干ネタバレがあるので今からネタバレ無しで追って読みたい方はスルーでお願いします

 

その昔、当時の彼女から紹介されて知ったおやすみプンプンなんですが読んだ感想は「よくまぁ(現実世界でもあることとはいえ)こんな皆が見たくないものを漫画にしたな…」というもので愕然としました

 

カルト宗教の家庭に2世として産まれ運命を翻弄される幼馴染みの田中愛子ちゃん

傍から見ればごく普通の家庭…と見せかけて実はかなり問題を抱えているプンプン一家(母親が毒親で父親もかなり問題有り)

母親の自■未遂のせいで愛子ちゃんとの約束が果たせず幼馴染みとの間に溝を深めてしまうプンプン

幸せな家庭で育ったが故にプンプンのことが理解できない蟹江梓ちゃん

コンプレックスから過激なダイエットと整形手術に走り美貌を手にした南条幸

お人好しが祟り万引きの冤罪をかけられ挙げ句半身不随になる宍戸平六さん

 

 

嗚呼…

 

世で持て囃される明るい漫画へのアンチテーゼなのかも分かりませんが、現代の闇を煮詰めて出てきた灰汁を直に飲まされたかのような、ひどく食あたりしたような読後感…

 

バキSAGAとは違った意味で人を選ぶ漫画です

 

作者の浅野いにお氏がまた変わった方で、

・作画に注力したいがために主人公のデザインをヒヨコにして省略

・アシスタントに任せると納得いく背景が出来上がらないから背景を写真にして背景以外は自分で全て描き込み

・その写真も撮っている時間が惜しいから3DCGから創り上げて作画(二次元)に落とし込む

・納得いく3DCGを創るためにCG作成の教室に通う(ここまで来ると逆に手間ッ!)

・締切に間に合わせるために作画を妥協したくないから連載開始前から書き溜めて1話作るのに2週間費やす

…などなど、普通じゃない上にかなりの努力家

 

言葉ではなく絵で伝えるため部屋の小物なんかもかなり緻密に(そしてその人物の性格や行動のクセなどが分かるように計算された形で)描かれていて、岸辺露伴の言う漫画に必要な要素「リアリティ」が効率を度外視したクオリティで表現されています

 

でも万人にオススメできるかというと…No

 

それでもワンピースとは違った意味で間違いなく漫画史に残る名作だと思います